「知られざる自然派のパイオニア:北摂ワインズが惚れた生産者たち」〜1946年、村の夢から始まった。革新を続ける自然派シャンパーニュ、シャヴォスト〜
「知られざる自然派のパイオニア:北摂ワインズが惚れた生産者たち」シリーズvol.8
こんにちは、北摂ワインズです。 『ナチュラルワイン手帖』にお越しいただきありがとうございます。
フランス・シャンパーニュ地方、コート・デ・ブラン北部の小さな村、シャヴォ・クルクール。この村の古い名である「Chavost(シャヴォスト)」を冠したワイナリーが、今、自然派シャンパーニュの世界で注目を集めています。
1946年の志から生まれた、唯一無二のシャンパーニュ
シャヴォストは、1946年、サン・マルタン教会とモン・フェリックスの丘に囲まれたこの地にて、20人の熟練したブドウ栽培者たちの想いによって設立されました。
「私たちの長老たちは、強い共同体意識、土地への深い愛情、そして“共有”と“連帯”の精神を私たちに伝えてくれました」──そう語るのは、現当主であり醸造責任者のファビアン・ダヴィオー氏です。30歳からエノロジストとして活躍しているファビアン氏は、自然との共生を大切にしながら、先人たちの哲学を今に受け継いでいます。
現当主であり醸造責任者のファビアン・ダヴィオー氏について
ファビアン・ダヴィオー氏は、フランス・シャンパーニュ地方シャヴォ=クルクール村出身の醸造家で、シャンパーニュ・シャヴォストのセラーマスター。1946年設立の協同組合の創設者の曾孫で、2019年に運営を引き継いだ。当初はワイン造りに興味がなく、生物学を学んでいたが、後に醸造学を修め、世界各地で経験を積む。
自然派ワインに傾倒し、2019年からシャヴォストで有機農法、亜硫酸塩不使用、単一年キュヴェ、補糖なし、短期間熟成を導入。協同組合の約30家族の多くが有機農法に移行しつつあり、ラベルデザインにもこだわる。伝統と革新を融合させ、自然派シャンパーニュの新たな可能性を追求している。
テルワールと共鳴する、ピュアな自然派シャンパーニュ
シャヴォストが所有する5ヘクタールの畑は、すべてが完全な有機農法。農薬も化学肥料も一切使用せず、畑とブドウに対して真摯に、誠実に向き合っています。さらに、醸造においても酸化防止剤(亜硫酸塩)ゼロ、補糖(ドサージュ)ゼロ。一切の「加えること」をやめ、“自然体”であることを追求しています。
こうして生まれるシャヴォストのシャンパーニュは、ひと口含んだ瞬間に、その土地が持つ“声”や“気配”がダイレクトに感じられるほど、テロワールとの共鳴感に満ちています。無駄を削ぎ落としたからこそ現れる、繊細で生命力ある泡と液体。それはまさに「人の手のぬくもり」が宿ったような、優しさと力強さを兼ね備えた味わいです。
そして今、すべてのキュヴェがナチュラルワインとしてリリースされる新たなフェーズへ。シャヴォストのシャンパーニュは、これまで以上に“本質”を映し出す存在となっています。
過去から未来へ──変わらぬ哲学と挑戦
シャヴォストは、伝統を守るだけではありません。ファビアン氏のもとで進められているのは、「ゼロ・インターベンション」=極限まで手を加えないシャンパーニュ造りという革新的な挑戦です。自然酵母による発酵、補糖なし、清澄なし。そのすべては、「土地の声」をそのまま届けるため。
長い歴史の中で育まれてきた精神と、現代的なナチュラルワインへのアプローチ。その両方が共存するこのワイナリーは、まさに「歴史と革新の交差点」に位置しています。
おそらく、全てのキュヴェを**完全ナチュラル(亜硫酸無添加・補糖ゼロ)**で仕上げているシャンパーニュ生産者は、シャヴォストただ一つと言っても過言ではないでしょう。
シャヴォストのナチュラルワインをチェック!
- ブラン・アッサンブラージュ" ブリュット・ナチュール” NV: シャルドネとムニエのブリュット・ナチュール。SO₂無添加、自然発酵・ノンドサージュ。青リンゴやブリオッシュの香り、ミネラル感ある繊細で長い余韻が魅力の一本。
「自然の声をそのままに届ける」——それがシャヴォストの哲学です。
静かに、しかし確かな意志を持って進化を続けるこの小さな村の造り手たち。
彼らの泡には、過去の知恵と未来への希望、そして大地への愛が詰まっています。
北摂ワインズが惚れ込んだ“唯一無二のナチュラル・シャンパーニュ”、
その魅力を、ぜひご自身の一杯で確かめてみてください。
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