「知られざる自然派のパイオニア:北摂ワインズが惚れた生産者たち」中川村のテロワールとともに生きる:南向醸造が紡ぐ、日本ナチュラルワインの未来
「知られざる自然派のパイオニア:北摂ワインズが惚れた生産者たち」シリーズvol.7
こんにちは、北摂ワインズです。 『ナチュラルワイン手帖』にお越しいただきありがとうございます。
長野県上伊那郡中川村の静かな山間に、ナチュラルワインの新星 南向醸造(みなかたじょうぞう) があります。2013年の冬、農業を志してこの地に足を踏み入れた曽我暢有(そが・のぶあり)氏が、2021年に設立したワイナリーです。今回は、曽我氏の情熱と挑戦、そして南向醸造の魅力に迫るブログをお届けします。
8年の挑戦:中川村での農業からワイナリーへ
「2013年の冬から中川村で農業を始め、気づけば8年も経ってしまいました。右も左も分からない中での就農でしたが、これまで出会った方々のお力添えのもと、なんとか2021年ワイナリーを設立するに至りました。」(曽我暢有氏)
曽我氏の物語は、2013年に中川村でブドウ栽培を始めたことから始まります。
南信州はワイン用ブドウの栽培が一般的でない地域。標高600~700mの3ヘクタールの畑で、ゼロから挑戦を続けた8年間は、決して簡単なものではありませんでした。
しかし、師匠である小山田幸紀氏(ドメーヌ・オヤマダ)をはじめ、多くの人々の支えを受け、2021年6月、旧キノコ工場を改装したワイナリーを設立。
南向醸造は、ここから新たな一歩を踏み出しました。
手作業にこだわるワイン造り
南向醸造のワイン造りは、ナチュラルワインの哲学そのもの。最小限の介入で、ブドウと土地の個性を最大限に引き出します。
しかし、ワイナリー設立前の2020年までは、小山田氏の醸造所を借りてワインを生産していました。「委託醸造」とはいえ、すべての作業は曽我氏の手によるもの。
発酵中のワインをかき混ぜるためだけに、片道2時間の道のりを車で通うこともあったそうです。この妥協のない姿勢が、南向醸造のワインに深みと魂を与えています。
2021年からは自社醸造を開始。初ヴィンテージは東京、大阪、名古屋の飲食店・酒販店で予約完売するほどの人気を博しました。
たとえば、南向醸造の「おはぴお 2023」は、2年目を迎えた挑戦的なキュヴェで、暑く乾燥した年の気候を背景に、ラブルスカ品種の個性を活かしながらも香りのバランスに細心の注意を払って醸造され、若いうちから楽しめる親しみやすさと、熟成による複雑さの変化が期待できる一本です。
一方、「minakata rouge 2022」は、シラーとカベルネ・フラン主体で、収穫期の雨によりやや淡い色合いながらも、柔らかく奥行きある味わいに仕上がっており、瓶詰め直後の不安定さから時間とともにまとまりが進み、今後さらに豊かな熟成を見せてくれるポテンシャルを秘めています。
地域と共に:南向醸造のビジョン
南向醸造は、グローバルな評価を受けつつも、地元・中川村との繋がりを大切にしています。曽我氏は、地元の人々に愛されるワイナリーを目指し、近隣の酒屋での販売拡大を計画。
元々、ワインリリースよりも先に柳沢林檎ジュースを生産し、地域の農業遺産を活かした商品作りにも取り組んでいます。この「地元への愛」と「世界への挑戦」のバランスが、南向醸造の特別な魅力です。
南向醸造の曽我氏は、ドメーヌ・オヤマダでの修行時代に多くの恩恵を受けた経験から、同じようにこれからワイナリーを目指す方々や、まだ醸造所を持たない人たちに向けて、委託醸造を通じたサポートを行っています。自身の経験や知識を惜しみなく共有しながら、志を同じくする仲間を少しずつ増やしてきました。
今では多くの造り手たちが集まり、彼らは「南向チーム」と呼ばれるほどに、強い絆で結ばれたコミュニティへと成長しています。
今後のワインに期待!
自社醸造となった2021年以降、南向醸造のワインはますます進化を遂げています。
「今後のワインも楽しみで仕方ありません!」と、ファンからの期待も高まるばかり。
曽我氏の手掛けるワインは、ブドウの個性と南信州の風土を映し出す鏡のような存在。
これからのヴィンテージが、どのような物語を紡ぐのか楽しみです。
南向醸造を体験しよう
ナチュラルワイン愛好家や、日本のワイン文化に興味があるなら、南向醸造は必見です。
南向醸造のワインは、今後、北摂ワインズのSTORESオンラインショップにて、リピーター様限定での販売を予定しております。
ぜひ、オンラインショップの常連になっていただき、南向醸造の希少なワインを手に入れるチャンスをお見逃しなく!
北摂ワインズの見解として
近年、日本のナチュラルワイン界で圧倒的な存在感を放っているのが、南向醸造です。
曽我暢有氏によるワイン造りは、ナチュラルでありながら芯があり、年々その完成度が高まっていることに驚かされます。
私たち北摂ワインズでも、いち早くそのポテンシャルに注目し、お取引させていただいてきました。
同時期に注目されている「テールドシエル」とともに、日本のナチュラルワインの中でも次元の異なる存在として、今後ますます世界に知られていくことでしょう。
特筆すべきは、曽我氏の背景とその姿勢です。
ドメーヌ・オヤマダでの修行を経て独立し、現在は自身のワインを手がけながら、醸造所を持たない若手や志ある造り手たちの委託醸造も受け入れています。
経験を惜しみなく共有しながら、志を同じくする仲間を増やしていく姿勢は、まさに“南向スピリット”。
今やその輪は「南向チーム」と呼ばれるほどに広がり、日本ワインの未来に確かな光をもたらしています。
今後、曽我氏が世界でどのように評価されていくのか、そして南向醸造がどこまで進化していくのか――私たちも大いに期待し、注目し続けていきます。
関連リンク: 北摂ワインズオンラインショップで季節のナチュラルワインをチェック
関連リンク:北摂ワインズInstagram
コメント
コメントを投稿