「知られざる自然派のパイオニア：北摂ワインズが惚れた生産者たち」〜Domaine Romaneaux-Destezet：ローヌの静かな革命児〜

 

「知られざる自然派のパイオニア：北摂ワインズが惚れた生産者たち」シリーズvol.3

こんにちは、北摂ワインズです。

 『ナチュラルワイン手帖』にお越しいただきありがとうございます。

私たちはナチュラルワインの世界で、真に情熱と魂を注ぐ生産者たちに光を当てたいと思っています。今回は、フランス・ローヌ地方北部にひっそりと根を張る「Domaine Romaneaux-Destezet（ドメーヌ・ロマノー・デストゥゼ）」をご紹介します。知られざる自然派のパイオニアとして、彼らがワインに込める哲学と想いは、私たちを深く魅了しました。

北摂ワインズが惚れた理由

ローヌといえば、シラー種の力強い赤ワインやシャトーヌフ・デュ・パプの華やかな名声が頭に浮かぶかもしれません。でも、Domaine Romaneaux-Destezetのエルヴェ・スオー（Hervé Souhaut）は、そんな派手なスポットライトを避け、静かに自分の道を切り開いてきました。私たちが彼に惹かれた理由はシンプルです。それは「自然への敬意」と「ワインへの純粋な愛」。

エルヴェは、化学的な介入を極力排除し、土地が持つ個性とブドウの声をそのままボトルに閉じ込めます。彼の手掛けるワインは、飲むたびに「これぞナチュラルワイン」かつ「クラシカルワインが持つ安心感」と両方の良さを合わせ持っています。北摂ワインズが目指す「本物の味わい」を体現する生産者として、彼はまさに隠れた宝です。

Domaine Romaneaux-Destezetの哲学

エルヴェ・スオーが拠点とするのは、ローヌ北部アルデシュの小さな村。急斜面に広がる古いブドウ畑で、彼はシラーやガメイ、さらには白ブドウのルーサンヌなどを栽培しています。特徴的なのは、そのほとんどがビオディナミ（自然農法）で育てられ、醸造過程でもSO2（二酸化硫黄）の使用を最小限に抑えていること。

「ワインは生き物だ」とエルヴェは語ります。彼にとって、ワイン造りはブドウと自然と対話する行為。人工的な手を加えず、野生酵母による自然発酵に委ねることで、その年の天候や土壌のニュアンスがそのまま映し出されます。たとえば、個人的に大好きな彼の代表作「La Souteronne（ラ・ストゥロンヌ）」は、ガメイの軽やかさとローヌらしいスパイシーさが絶妙に調和した一本。飲むと、まるで畑の風を感じるような感覚に包まれます。

ワインに込めた想い

エルヴェのワインには、彼の人生そのものが投影されています。実は、彼は元々ワイン造りの家系ではなく、パリで働いていた時期もある異色の経歴の持ち主。ある時、自然派ワインの先駆者マルセル・ラピエールと出会い、その哲学に感銘を受けたことがきっかけでワインの世界へ飛び込みました。

彼のワインは、どこか懐かしくもあり、新しい発見に満ちています。例えば、白ワイン「Romaneaux Blanc」は、ルーサンヌの豊かなアロマと繊細な酸が織りなすバランスが絶品。伝統的なローヌのスタイルを守りつつ、現代的な軽やかさを加えたその味わいは、彼が過去と未来をつなぐ架け橋でありたいという想いの表れです。

代表的なナチュラルワインをチェック！

代表的なキュヴェをご紹介します：

特に北摂ワインズでは、彼が手がけるガメイの完成度の高さに深く感銘を受け、その卓越したセンスと技術に、まさに名手の風格を感じています。

• La Souteronne Gamay 2020

濃いパープルガーネット色、カシスやブラックチェリー、湿った土の香り、スモークな香りが口中に拡がり、中程度のタンニンと酸、冷涼感のある繊細な味わいを感じます。

北摂ワインズが伝えたいこと

Domaine Romaneaux-Destezetの「La Souteronne（ラ・ストゥロンヌ）」を約30年前、初めて飲んだ時、私は「これだ！」と心が震えました。大手ワイナリーの洗練されたワインとは違い、素朴で、でも力強い生命力が宿っている。エルヴェのワインは、ナチュラルワインが単なるトレンドではなく、自然と共にある暮らしの結晶だと教えてくれます。

グランヴァンにも負けない、ワインの構成や静かな安定感。一生の飲み飽きない味わいに仕上がっています。

彼のような生産者がいるからこそ、私たちはナチュラルワインの可能性を信じ続けられるのです。まだ日本では広く知られていないかもしれませんが、北摂ワインズは彼の情熱とストーリーをもっと多くの方に届けたい。

ぜひ一度、Domaine Romaneaux-Destezetのワインを手に取って、その「静かな革命」を味わってみてください。ワインを知れば知るほど、彼のワインの良さがわかるようになります。

ローヌの小さな村から、世界に誇るナチュラルワインを生み出すエルヴェ・スオー。

彼のワインは、北摂ワインズが追い求める「本物」の象徴です。次回のブログでも、また別の隠れたパイオニアをご紹介するので、どうぞお楽しみに！

それでは、グラスを傾けて、自然の恵みに感謝するひとときを。

北摂ワインズより、心を込めて。

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