世界を巡るナチュラルワインの今とこれから〜なぜナチュールが世界中を席巻するのか〜
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「ナチュラルワインって聞いたことありますか? 最近、ワインショップやSNSでよく見かけるこの言葉。化学的な添加物を避け、自然の力を最大限に引き出したワインは、なんだか体にも地球にも優しそうで、気になりますよね。実は今、このナチュラルワインが世界中で静かなブームを巻き起こしているんです。フランスの小さなワイナリーからアメリカのトレンド最前線、アジアの新しい挑戦まで、その波はどんどん広がっています。今回は、そんなナチュラルワインの現状と、これからどうなっていくのかを一緒に旅するように見てみましょう。」
1.ヨーロッパ - ナチュラルワインの故郷の進化
ナチュラルワインのルーツとも言えるフランスでは、「ヴァン・メトード・ナチュール」という認証が2020年に導入され、一定の基準を満たしたワインにラベルが付くようになりました。例えば、酸化防止剤(SO2)の使用を厳しく制限し、自然酵母での発酵を重視するなど、明確なガイドラインが設けられています。ジョージアでは、8000年以上続くクヴェヴリ(土壺)を使った伝統的な醸造法が、ナチュラルワインの文脈で再評価され、国際的な注目を集めています。一方、イタリアやスペインでは、小規模生産者が独自のスタイルを追求し、多様性が花開いています。ヨーロッパでは、伝統と革新が交錯しながら、ナチュラルワインがさらに洗練されていく動きが見られます。
2.アメリカ - 新世界の自由な挑戦
アメリカでは、カリフォルニアやオレゴンを中心にナチュラルワインが急成長中。大手ワイナリーとは一線を画す若手生産者が、自然派に挑戦しています。ここでは、実験的なアプローチが特徴で、オレンジワインやペットナット(微発泡ワイン)が人気。また、都市部のワインバーやレストランで「ナチュール」がトレンドになり、若者を中心に消費者が気軽に楽しむ文化が広がっています。ただし、定義が曖昧なまま「ナチュラル」と銘打つ商品も増えており、品質のバラつきが課題とも言われています。
3.アジア - 日本を中心に広がる波
日本では、ここ数年でナチュラルワインの人気が急上昇。東京や大阪のワインバーでは、自然派ワインが主役の店も増え、国産ブドウを使ったナチュラルワインも注目されています。山梨や長野、北海道のワイナリーが有機栽培や無農薬栽培に取り組み、和食とのペアリングを楽しむスタイルが独自の進化を遂げています。一方、中国や韓国、台湾でも、若者を中心にナチュラルワインへの関心が高まりつつあり、アジア全体で市場が拡大する兆しがあります。
4.その他の地域 - 新たなフロンティア
オーストラリアやニュージーランド、南アフリカでも、ナチュラルワインの生産が活発化しています。オーストラリアやニュージーランドでは、温暖な気候を生かしたフルーティで軽やかなスタイルが人気で、南アフリカでは土着品種を使ったユニークなワインが登場。南米、特にチリやアルゼンチンでは、有機栽培のブドウを使った手頃な価格のナチュラルワインが輸出市場で存在感を増しています。これらの地域は、ナチュラルワインの「新興勢力」として、今後さらに注目されそうです。
5.課題と未来への展望
ナチュラルワインの魅力は個性と自由さですが、課題も少なくありません。明確な定義がないため、品質が安定しないケースや、「ナチュラル」をマーケティングに利用するだけの商品も見られます。また、気候変動によるブドウ栽培への影響も無視できません。それでも、サステナビリティを重視する動きが強まる中、2025年以降もナチュラルワインの需要は伸びると予測されています。特に、若い世代が「ストーリーのあるワイン」を求める傾向は続き、生産者と消費者の距離が近いこのカテゴリーは、さらに進化していくでしょう。
世界中で愛されるナチュラルワインは、土地の味と造り手の想いが詰まった特別な一杯。次にワインを選ぶときは、ぜひ「ナチュラルワイン」を試してみませんか? 一緒に、世界中へナチュラルワインの魅力を広げていきましょう!インスタでも、FBでも、blogなどで発信していきましょう!
次回は、「ナチュラルワインの声〜世界のワインライターが語るナチュラルワインの魅力〜」をお届け予定。お楽しみに!
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